人生最後のダイエット

ファットインパクトとHIFUなどの痩身機器の違い

今回は、痩身機器についてのお話です。
当院では、衝撃波を用いたファットインパクトという痩身機器を導入しています。

一般的に、他の美容クリニックを見ると、脂肪冷却やHIFUなどを用いた痩身が盛んですが、当院で導入している衝撃波治療と、何が違うのでしょうか?

まず、脂肪冷却やHIFUなどの痩身機器の場合、簡単に言えば、熱エネルギーを利用して脂肪細胞を変性し、壊死させ、脂肪細胞の縮小・減少を目的とします。
しかし、実際は、表皮でほとんどの熱エネルギーが喪失されてしまい、実際の脂肪細胞を変性させるのに必要なエネルギーは、ほんの僅かしか深部に到達しません。
だからと言って、出力をむやみに上げても、火傷や凍傷のリスクが高くなってしまい、十分な出力で施術を行なう事が難しくなります。
そもそも、脂肪組織自体が、断熱材のようなもので、熱を伝えにくい性質があるため、実を言うと、熱エネルギーを利用する施術はあまり適していないのです。

そう考えると、脂肪冷却やHIFUなどは、理論的には熱エネルギーがしっかり伝わりさえすれば、効果は得られはずなのですが、実際にはそううまくはいかない、ということになります。

それに対して、ファットインパクトは、低出力の体外衝撃波を利用して、脂肪細胞を分解・縮小させる痩身治療です。

衝撃波とは、音速よりもさらに速い圧力の波のことで、エネルギーが減衰しないことから、衝撃波による治療は、しっかりと深部の脂肪までアプローチ可能なのが、大きな特徴です。

さらに身体に負担をかけることなく、高いエネルギー量を照射することができるのも、ファットインパクトの特徴と言えます。

というのも、衝撃波は、レーザーなどのエネルギーとは違い、熱を発さずに照射できるため炎症反応を起こさず照射が可能となり、身体への負担が少なく、ダウンタイムも殆どないという特性があります。

また、脂肪冷却による痩身機器で起こりがちな、凍傷や色素沈着(黒ずみ)などの副作用を来たさないことも、大きな利点と言えます。

そして、ファットインパクトの効果として最も注目すべきは、「体形の変化を実感できる」という点です。
ファットインパクトは、エネルギーが減衰することなく深部に到達し、中性脂肪を溜め込みやすい白色脂肪細胞に作用することから、脂肪細胞を効果的に分解・縮小するため、目に見える効果が発揮されやすいと言えます。

一般的に、部分痩せの実現を困難にしている一番の原因は、体内に蓄積された老廃物やセルライトの存在です。
セルライトは脂肪燃焼しにくい皮下脂肪につくことから、一般的なダイエットではなかなか落ちにくいとされています。
セルライトによって、血流やリンパの流れが滞った状態だと、食事制限や運動をどんなに頑張ってみても、思うようなダイエット効果が得られません。
特に部分痩せをしたいと考える方が多いお腹周りや大腿、二の腕などは、老廃物やセルライトも蓄積しやすい部位のため、悩まされる方も多い部位と言えます。

それに対して、ファットインパクトは、周囲の組織の血管新生やリンパの流れを改善することから、代謝の促進、セルライトの改善などの効果も期待されています。
ファットインパクトは、メスを使わず、また他の痩身機器に比べて照射中の痛みやダウンタイムも非常に少ないことから、気軽に部分痩せが可能な痩身機器です。

また、ファットインパクトは、衝撃波が中性脂肪を溜め込む白色脂肪細胞に作用するため、皮下にこびりついた脂肪を重点的に分解するよう働きかけます。

従来であれば、食事制限やカロリー制限、運動によって脂肪は徐々に落ちていくものですが、長年蓄積された皮下脂肪は、文字通り「頑固な油汚れ」のようなもので、頑張っても頑張っても、なかなか思うように落ちてはくれません。

当院では、幅広い年齢層のダイエット希望の方が来院されますが、40代、50代ともなってくると、歳を重ねている人ほど、GLP-1受容体作動薬の体重減少効果が乏しい傾向にあります。

リベルサスやビクトーザなどのGLP-1受容体作動薬は、確かに体重減量効果はあるのですが、その主たる作用は、食欲抑制効果によるもので、過食や暴飲暴食を抑えることで、緩やかに体重減少が期待できます。

一方で、GLP-1受容体作動薬も、決して万能ではありません。
GLP-1受容体作動薬は、残念ながら長年こびりついてしまった「頑固な油汚れ」に対しては、十分な効果が期待できない、と考えて頂いた方が良さそうです。

ですので、暴飲暴食が原因の比較的若い人の場合は、GLP-1受容体作動薬のみでもうまく痩せられることが多いですが、肥満年数が長い人の場合は、なかなかGLP-1受容体作動薬のみで理想の体型を目指すのは現実的ではなかったりします。

そのような人の場合、いきなりGLP-1受容体作動薬を始めるのではなく、まずはファットインパクトで「頑固な油汚れ」を落とすことから始めていくのが望ましいと思われます。

平山医師

医師

Hirayama Takashi

いつでも安心して、専門医に相談できるクリニックで、健康的なダイエットをサポートします。