人生最後のダイエット

GLP-1ダイエットは効果なし?痩せない理由と危険性について解説

「GLP-1ダイエットをしているのに全然痩せない」

「GLP-1ダイエットには効果がない、と噂で聞いた」

「GLP-1ダイエットの危険性について知りたい」

このような悩みを解決する記事を用意しました。
結論、GLP-1がうまくいかない原因は知識不足や誤解が原因になっていることがほとんどです。

この記事を読むことで、GLP-1の効果やリスクについて理解し、実際に治療を開始するかどうか決められるようになります。

この記事で紹介する内容は以下の通りです。
・GLP-1で痩せるしくみ
・GLP-1の効果が出ない人の共通点
・GLP-1ダイエットを成功させるコツ
・GLP-1をはじめる前の注意点
・GLP-1へのよくある質問

記事の前半では、GLP-1ダイエットで体重が落ちるメカニズムを解説し、なぜGLP-1ダイエットがうまくいかないのか、について解説します。
後半では、GLP-1ダイエットを成功させるために注意すべき点を紹介します。
記事の一番下には、副作用や費用など、よくある質問を掲載しているので、そちらもぜひチェックしてみてください。

 

 

GLP-1ダイエットとは|痩せるしくみと特徴

GLP-1ダイエットは、小腸から分泌される「GLP-1」とよばれるホルモンと同様のはたらきをする薬剤である「GLP-1受容体作動薬」を使ったダイエット方法です。
GLP-1のおかげで空腹を感じにくくなり、カロリー摂取を抑えられるために痩せる、という流れです。

GLP-1のはたらきには以下のようなものがあります。

GLP-1ダイエットのはたらき

・インスリンの分泌を促す
・グルカゴンの分泌を抑える
・胃の中身を送り出すスピードをゆるめる
このような流れで、消化管の活動を抑え、食欲を出せなくすることで自然に体重を減らすことができます。

GLP-1ダイエットの特徴

GLP-1ダイエットが人気の理由は、ストレスのかかりにくいシンプルなダイエット方法だからです。

特徴としては以下の通りです。
・特別な食事制限がなし
・シンプルでわかりやすい方法
・ストレスが少なくリバウンドしにくい
それぞれ解説していきます。

きつい食事制限がない

ダイエットには過酷な食事制限がつきものです。
ただし、GLP-1ダイエットでは食欲そのものが落ちるため、ダイエット中の食事に厳しいルールはありません。
「どうしても間食がやめられない」という方にはオススメです。

投薬と運動のみでわかりやすい

GLP-1は「投薬」と「運動」の2ステップのみで簡単です。
実際にGLP-1ダイエットで成果が出ている人からは「継続しやすい」という声が多いです。
運動といっても激しいスポーツをする必要はありません。
最初は
・階段を使うようにする
・通勤の1駅分を歩くようにする
など、一日の歩数を増やすところからはじめてもよいでしょう。

リバウンドしにくい

短期間で急激に落ちた体重はリバウンドしやすいです。
無理な食事制限やきつい運動で仮に体重が落ちたとしても、生活が元に戻ると体重も元に戻ってしまいます。
食欲を抑えることに慣れ、摂取カロリーが自然と適正化されることでリバウンドしにくい体質になっていきます。

GLP-1ダイエットで痩せない理由4選

GLP-1はあくまで「ダイエットのサポート」であり、食生活の見直しや適度な運動が必要です。
また、減量効果が認められているのは、今のところ海外のデータのみであり、日本人の体型でも同様の効果が得られるとは限りません。

例えば、
・食べる量が多すぎる
・食事の栄養バランスが悪い
・まったく運動していない
・そもそも太っていない
・脂肪細胞がセルライト化している
といったケースにあてはまる場合は、GLP-1ダイエットの効果が出ない可能性が高いです。

それぞれの理由について、詳しく解説していきます。

痩せない理由①食べ過ぎ

GLP-1ダイエットの効果が出ない方の多くは「GLP-1ダイエットではいくら食べてもOK」と勘違いしています。
GLP-1の効果により、間食や一回の食事の量を減らすことで減量の効果を出す方法なので、いつもと同じ量を食べては痩せることはできません。
食事の厳しいルールはなくても、できるだけ摂取カロリーを控えるように心がけてください。

痩せない理由②偏った食生活

普段の食事の栄養バランスが悪い方もGLP-1ダイエットの効果が出にくいです。
例えば、ご飯や麺など、糖質に偏った食事をしている方は血糖値が上がりやすく、脂肪もつきやすくなります。
代謝も悪くなっていくため、本来の減量効果を感じられなくなる恐れもあります。

痩せない理由③運動不足

GLP-1薬を使用して食事を減らすだけではダイエット効果は低いでしょう。
運動量が低い方は筋肉量が低く、代謝が悪いために痩せにくい身体になっています。
食事量を適正化した上で、適度な運動を習慣づけることにより、体重が落ちやすくなります。

痩せない理由④体型

GLP-1受容体作動薬は海外では肥満に対する治療薬として認められています。
ただし、WHOが定義する肥満の条件はBMI30以上であり、日本人ではこれにあてはまる体型の人は多くありません。
肥満体型でない人への効果は裏付けられていないため、体型によっては効果が全く感じられない可能性もあります。

痩せない理由⑤セルライト

脂肪細胞は、肥大して老廃物を溜め込むとセルライトという状態になります。セルライト化した脂肪細胞は、いわば「頑固な油汚れ」のようなもので、こうなってしまうと、食事制限や運動を頑張っても、もう一つダイエットの成果が上がらなくなります。
GLP-1薬で痩せない人は、脂肪のセルライト化が問題となっていることが多かったりします。
この場合は、GLP-1のみで痩せることは難しく、脂肪溶解注射や衝撃波治療を組み合わせる必要があります。

GLP-1ダイエットの効果を高めるポイント5選

GLP-1ダイエットの効果を最大に発揮するためにできることは以下の通りです。
・早期にセルライト対策をしておく
・食事の栄養バランスを見直す
・噛む回数を意識して増やす
・アルコールを控える
・適度な有酸素運動をする
それぞれ、順番に解説していきます。

早期にセルライト対策に取り組む

セルライトは、ダイエットの効率を著しく落とす大敵ですが、食事や運動と異なり、自分自身では対策しようがないケースがほとんどです。
GLP-1ダイエットに取り組む1〜2ヶ月前から、脂肪溶解注射や衝撃波治療でセルライト除去をしておくと、ダイエットの成果が上がりやすいと考えられています。

食事の栄養バランスを見直す

GLP-1ダイエットにより、食欲がなくなると全体の食事量が減ってしまいがちです。
そこで身体に必要な栄養素が不足すると、便秘や低血糖などさまざまな健康上の問題を引き起こす可能性があります。
毎日の食事のバランスを見直した上で、ビタミンミネラルなどの不足しがちな栄養素をサプリメントで補うのもよいでしょう。

噛む回数を意識して増やす

毎回の食事で噛む回数を増やし、唾液の分泌を促すとよいでしょう。
たくさん噛むと早食いを防ぐことができ、食べているうちに満腹中枢が刺激され、食事の全体量を抑えることができます。
GLP-1ダイエットをしているからといって食べる量が変わらないと効果は出にくいです。
普段より多く噛むことを心がけましょう。

アルコールを控える

GLP-1ダイエットだからといって、アルコールを飲んではいけないわけではありません。
ただし、普段からお酒の量が多い方はアルコールがGLP-1の効き目を妨げる可能性があるため控えめにしておきましょう。
GLP-1はインスリンに作用するホルモンであり、アルコールの代謝は膵臓に大きな負担をかけてしまいます。
どうしても飲みたいときにはできるだけカロリーの低いお酒を一杯までと決めて、ほどほどに楽しむようにしましょう。

適度な有酸素運動をする

GLP-1ダイエットでは適度な有酸素運動が必要です。
激しい運動は逆に低血糖を起こしてしまうこともあるため、無理のない範囲で行ってください。
具体的には、ウォーキングや軽い水泳、ゆっくりめのジョギングなどがオススメです。
どうしても時間が取れない方は
・エレベーターではなく階段を使う
・1日5分踏み台昇降運動をする
などと、工夫して運動習慣をつけるようにしてください。

 

 

【要注意】GLP-1ダイエットのリスクや危険性

実際にGLP-1ダイエットをはじめる前に知っておくべき注意点として、以下のようなものがあります。
・副作用が起こる可能性がある
・痩せている人には向いていない
・既往症によっては治療できない
それぞれ詳しく解説していきます。

GLP-1ダイエットの副作用

GLP-1製剤の副作用には以下のようなものがあります。
・吐き気
・消化不良
・下痢
・腹痛
・頭痛
・注射

・内服
いずれのタイプでも治療をはじめてすぐの時期に消化器系の副作用が出ることがあります。

GLP-1の効果があるのは「肥満体型」のみ

「痩せない理由④」でも解説した通り、GLP-1のダイエット効果が認められているのは海外のみです。
肥満ではない方がGLP-1受容体作動薬を使用した場合、低体重などの合併症を起こしてしまう可能性があるため、必ず医師と相談の上でおこなってください。

GLP-1治療ができない人

既往症や薬の飲み合わせにより、GLP-1ダイエットをしてはいけない人もいるので必ずチェックしてください。 

《GLP-1ダイエットをするのに注意が必要な人》
・未成年
・70歳以上の高齢者
・妊娠、授乳中、妊娠の可能性がある方
・糖尿病
・肝機能障害
・腎機能障害(重度)
・膵炎、胆石症
・腹部手術、腸閉塞の既往歴
・甲状腺疾患
・摂食障害
・うつ病
・多発性内分泌腫瘍症2型
・BMI18.5未満
・低血糖の恐れのがある

特に糖尿病治療薬を服用している場合、低血糖を起こしやすく大変危険です。
ここに記載していないものでも治療中の持病がある方は個人で判断せずに、まずは糖尿病専門医に相談してくださいね。

GLP-1ダイエットに関するよくある質問

GLP-1治療を保険適用で受ける方法は?

国内ではGLP-1は糖尿病の治療薬としてのみ認可されており、保険適応外です。
ウゴービというGLP-1受容体作動薬が肥満症の保険適応薬として販売承認が下りていますが、処方条件が厳しすぎて、全国で処方できる医療機関がほとんどないのが実情です。

どれくらい続ければ効果を感じられる?

正しいGLP-1ダイエットを実践できていれば、およそ2週間から1ヶ月で減量効果が出てきます。
ただし、GLP-1ダイエットでは1ヶ月あたりに痩せて良いのは体重の5%までとされているため、劇的なダイエットを期待しているなら難しいでしょう。
これは極端な食事制限で無理やり体重を落としても、すぐにリバウンドしてしまうからで、長期的に痩せやすい体質を作ることが目的です。

どれくらいの期間続ければいい?

最低でも2~3ヶ月は続けるべきと言われていますが、人によっては1年ほど続けることが推奨されます。
人によっては1ヶ月で効果を実感し、やめてしまう人がいますが、短期間で減量した場合はリバウンドのリスクが高いです。
バランスのよい食生活を習慣づけて、痩せやすい体質を作ることを考えると長期的に取り組むのがよいでしょう。

自分に合っているかわからない場合はどうすればいい?

GLP-1ダイエットの効果が望めるかどうかは、個人で判断するのがとても難しいです。
個人輸入でGLP-1製剤を輸入するのも健康上のリスクが高いため、まずは「GLP-1治療が可能か」を専門医に相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

この記事ではGLP-1ダイエットの効果が出ない理由とその解決策について解説しました。
GLP-1ダイエットは食欲を落とすことで無理なく食事量を減らし、適度な運動と組み合わせることで自然な減量を促す肥満治療法の一つです。
多くの日本人の体型では効果が認められてないため、個人の判断で取り組むと低血糖やその他の健康上のリスクが高いため、注意しておきましょう。

 

平山医師

医師

Hirayama Takashi

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