糖尿病改善・メディカルダイエットSGLT2阻害薬の種類と特徴

尿に糖を出すことで血液中に再吸収されず血糖値を改善・体重減少効果も期待できます。

メディカルダイエットに用いられるSGLT2阻害薬の種類と特徴

SGLT2阻害薬は、糖尿病治療において重要な役割を果たす薬剤であり、体重減少にも効果があることが広く認識されています。
ここでは、SGLT2阻害薬の主な種類と、GLP-1受容体作動薬との比較や併用による効果について詳しく解説します。

SGLT2阻害薬とは?

SGLT2阻害薬は、腎臓でのブドウ糖の再吸収を阻害し、尿中に糖を排出することで血糖値を低下させる薬剤です。この作用により、体内のエネルギー消費が増え、体重減少効果も期待できます。また、糖尿病のない肥満者にも安全かつ効果的に利用できることが示されています。

SGLT2阻害薬の種類とそのダイエット効果

トホグリフロジン(デベルザ®)

トホグリフロジンは、日本で広く使用されているSGLT2阻害薬で、体重減少効果が確認されています。
48週間の投与による研究では、主に脂肪量の減少によって体重が減少し、さらに16週間の休薬後もその効果が持続しました

エンパグリフロジン(ジャディアンス®)

エンパグリフロジンは、特に心血管リスクの高い糖尿病患者に効果的です。
体重減少効果に加えて、心血管イベントのリスクを低減する効果が確認されています。
約4%の体重減少が報告されています

ダパグリフロジン(フォシーガ®)

ダパグリフロジンは、糖尿病患者と肥満患者の両方に対して3%〜5%の体重減少効果を示します。
広く使用されており、糖尿病治療だけでなく肥満治療にも適しています。

カナグリフロジン(スーグラ®)

カナグリフロジンは、高用量での使用によって他のSGLT2阻害薬よりも大きな体重減少効果を示すことが報告されています。
300mgの用量では、さらに大きな減量効果が確認されています

SGLT2阻害薬の効果・メリット

SGLT2阻害薬のメリットは、主に以下の点にあります。

  • エネルギー消費の増加:腎臓から尿中に糖を排出することで、体内のエネルギー消費が増加し、体重減少を促進します。
  • 持続的な体重減少:トホグリフロジンなど、一部のSGLT2阻害薬は休薬後も脂肪減少が持続することが示されており、3%〜5%の体重減少が期待できます。
  • 心血管リスクの低減:エンパグリフロジンやカナグリフロジンは、心血管リスクの高い患者に対して、体重減少効果と心血管疾患予防効果を示しています

SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の比較

SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬は、どちらも体重減少に効果がある薬剤ですが、それぞれ異なる作用機序と特徴があります。
以下に、両薬剤の比較をまとめます。

特徴SGLT2阻害薬GLP-1受容体作動薬
作用機序腎臓でブドウ糖の再吸収を阻害し、尿中に排出脳の満腹中枢を刺激し、食欲を抑制
体重減少効果3%〜5%の体重減少5%〜15%以上の体重減少が報告
心血管リスク軽減エンパグリフロジンやカナグリフロジンで確認リラグルチド、セマグルチドなどで確認
使用対象糖尿病患者、肥満患者糖尿病患者および非糖尿病の肥満者
副作用脱水、尿路感染症、ケトアシドーシス吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状

SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の併用

SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬を併用することで、相乗的な体重減少効果が得られます。
SGLT2阻害薬がエネルギー消費を増加させる一方で、GLP-1受容体作動薬は満腹感を持続させ、食欲を抑えるため、体重減少が加速します。

  • 相乗効果:両薬剤を併用することで、体重減少効果が単独使用よりも高まります。SGLT2阻害薬のエネルギー消費効果とGLP-1受容体作動薬の食欲抑制効果が互いに補完し合います。
  • リバウンドリスクの軽減:GLP-1受容体作動薬は中止するとリバウンドが発生することがありますが、SGLT2阻害薬を併用することでこのリスクが軽減される可能性があります。
  • 心血管保護効果の向上:両薬剤ともに心血管保護効果があるため、併用することで心血管疾患のリスク軽減がさらに期待できます。

併用における注意点

SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の併用は効果的ですが、両薬剤ともに副作用があるため、医師の指導のもとでの使用が重要です。
脱水症状や消化器症状などに注意が必要です。

当院のSGLT2阻害剤薬の処方の特徴

せっかくSGLT2阻害剤薬を使用することで痩せたとしても、投薬を中止すると、ほとんどの人がリバウンドをしてしまいます。
また、不適切な使用により、健康被害が生じることもあります。
当院の指針としては、あくまでダイエットの基本は、毎日の食生活であるというのがベースにあります。
そのため、SGLT2阻害剤薬の処方においては、ただ漫然とお薬を渡すだけということはせず、定期的な管理栄養士による食事指導や介入を行うことを前提に処方しています。
また、GLP-1受容体作動薬とSGLT2阻害薬の組み合わせは、体重減少に有効ではあるものの、投薬のみによるダイエットでは、休薬後のリバウンドを完全に防ぐことはできません。
そのため、その他の痩身治療を組み合わせての治療をご提案しています。

その他の痩身治療の詳細については、脂肪溶解注射のページやファットインパクトエムスカルプトのページをご覧ください。

SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬は、体重減少と心血管リスク軽減に効果的な薬剤であり、併用することでさらなる効果が期待されます。
リバウンド防止や副作用に留意し、医師の指導の下で適切に使用することが大切です。
他の痩身治療と併用して、長期的な体重管理を目指しましょう。ご興味のある方は、当院までご相談ください。

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平山医師

医師

Hirayama Takashi

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