人生最後のダイエット

血糖値スパイクを見逃さない3つの検査を紹介

「血糖値スパイクって何?」
「食後高血糖について知りたい」

そんな方への記事を用意しました。

この記事では、食後に血糖値が急激に上下する「血糖値スパイク」について紹介します。
この記事を読めば、

・スパイク血糖値は、高血糖と何が違うのか
・通常の血糖値検査で食後高血糖が見逃される理由
・食後の血糖値を測定する3つの検査

といった内容を知ることができ、自分は検査を受けるべきなのかを判断することができます。

血糖値スパイクとは

血糖値とは、ブドウ糖の血液中の濃度の事で、あなたの身体の中でも一日を通して血糖値が変動しています。
インスリンが正常に働いていれば、この血糖値の変動はゆるやかですが、なんらかの原因で血糖値の急上昇および急降下を起こしている状態を「血糖値スパイク」と言います。
スパイクは「とげ」という意味で、血糖値のグラフを見たときにその値の急な変動のおかげで「とげ」のようになっていることからその名前が来ています。

血糖値スパイクを起こすメカニズム

血糖値スパイクは、食事によって吸収されたブドウ糖の処理が追いつかないことにより起こります。

・空腹時のドカ食い
・食べ過ぎ
・早食い
・過度なストレスや睡眠不足
・肥満
・膵臓の機能低下

上に挙げたような習慣がある方は、血糖値スパイクが起きやすいといえます。
空腹の身体に大量の糖分が入ってくると、血糖値は上昇します。
それを下げるために大量のインスリンが分泌され、血糖値が急降下した結果、血糖値スパイクが起きます。
慢性的な生活習慣の乱れから膵臓の機能が低下していると、インスリンの分泌量やタイミングが上手くいかず、どんどん悪循環になっていきます。

【隠れ糖尿病】スパイク血糖値を見逃してはいけない理由

血糖値スパイクは、一般的な検査で見つかりにくく、知らぬ間に症状が進行してしまうことがほとんどです。
糖尿病の検査や健康診断で一般的に行われるのは「HbA1c」検査なのですが…
検査で数値化できるのは、過去にさかのぼった一定期間の血糖の平均値です。
つまり、もし食後の血糖値に乱高下があったとしても、それ以外の部分が正常であれば見逃されてしまうんです。
大幅な血糖値の上げ下げが何度も繰り返されると、
活性酸素の発生→血管の酸化ストレス→動脈硬化
という流れでさまざまな疾患を起こすきっかけにもなります。
あなたの知らないところで、食事をするたびに身体が悲鳴を上げている可能性があります。

血糖値スパイクに気づくための方法

食後血糖値を測定することのできる方法を3つ紹介します。

OGTT(経口糖負荷試験)
SMBG(血糖自己測定)
CGM(持続グルコース測定)

OGTT(経口糖負荷試験、Oral Glucose Tolerance Test)

10時間以上絶食し、その後、ブドウ糖を含む液体を飲んだときの血糖値の変動を測定する検査です。
検査の流れは、ブドウ糖を飲んで採血するだけでとても簡単ですが、糖代謝を把握する最も感度の高い検査と言われています。

OGTTの具体的な手順

10~16時間絶食する
空腹時の血糖値を測定する
ブドウ糖75gを溶かした水を飲む
30分後、60分後、90分後に採血をする

OGTTのデメリット

OGTTのメリット
・正確な糖代謝を知ることができる

OGTTのデメリット
・医療機関でないと受けられない

OGTTの費用は保険適用

OGTTの保険適応になるのは、血糖値やHbA1cに軽度異常が見られる「糖尿病疑い」の方です。
料金は診察料を含めて、4000円前後(3割負担)です。

SMBG(血糖自己測定、Self-Measurement of Blood Glucose)

ひとことで言うと、日常生活の中で自分で血糖値を測定し、チェックをする方法です。
検査の方法はとても簡単で、細い針を指先に刺して採血し、血液を専用のセンサーにつけるだけです。
結果は数秒で出るため、誰でも手軽に検査をすることができます。

SMBGの具体的な手順

手を洗い、よく乾かす
手のひらを消毒し、よく乾かす
専用の器具で穿刺する
必要量の血液をセンサーに吸い取る
数秒で結果が表示される
血糖値は食事や運動など、さまざまなストレスによる影響を受けるため、医師と相談してどのタイミングで測定を行うかを決めます。
実際に測定をした数値を表に記録していき、血糖値の変動を観察します。
測定に必要な血液の量や採血の仕方が正しくできていないと、測定値にも影響を与えるため、注意しましょう。

SMBGのデメリット

SMBGのメリット
・好きなタイミングで血糖値を測定できる
・少量の血液で検査できる
・他の検査に比べるとコストが低い

SMBGのデメリット
・測定ごとに針を刺さないといけない
・測定できるのはその時点の血糖値のみ
・正しく測定できていない可能性がある
・保険適用にならない場合がある

SMBGの費用は保険適用

現在、SMBGの保険適応となるのは、
・インスリン治療をしている方
・妊娠糖尿病の一部の方
です。
予防のためにSMBGをする場合、1回あたり100円の自己負担が発生します。

CGM(持続グルコース測定、Continuous Glucose Monitoring)

二の腕などに専用のセンサーを装着し、皮下のグルコース濃度を持続的に測定する方法です。
国内では、Abbott社からリブレ®︎という持続血糖測定器が販売されています。

CGMの具体的な手順

センサーを準備する
装着部分をアルコール消毒する
センサーを腕に貼り付ける
専用のリーダーでデータを受信する
SMBGでわかるのは、測定したポイントの血糖値のみで、それ以外の部分の血糖値の動きを把握することはできません。
一方、CGMは約2週間かけて皮下のグルコース値を連続で測定します。
血糖値そのものを測定するわけではありませんが、グルコース濃度は血糖値と近い動きをするため、本来測定するのが難しい夜間の血糖値の状態を把握することもできます。

CGMのデメリット

CGMのメリット
・食後血糖値を測定できる
・夜間の低血糖などもチェックできる
・HbA1cではわからない「血糖コントロールの質」がわかる

CGMのデメリット
・皮膚がかぶれることがある
・実際の血糖値を測定するわけではない
・受けられる施設が限られる
・SMBGと比べるとコストが高い

CGMの費用は保険適用

CGMの保険適応は「インスリン治療をしている方」で、4,000円前後(3割負担)です。

まとめ

この記事で解説した内容

・血糖値スパイクは食後に起こる血糖値の急上昇、急降下のこと
・一般的な血糖値検査では血糖値スパイクは見逃されやすい
・食後血糖値を測定する代表的な方法はOGTT、SMBG、CGM

たとえ健康診断で血糖値が「正常」と出ても、食習慣・生活習慣によっては血糖値の変動が見逃されている可能性があります。

・朝食を食べない
・夕食の時間が遅い
・一回の食事量が多い
・食べるのが早い

といった条件に当てはまる方は、この記事で紹介した検査で糖代謝をチェックしてみてはいかがでしょうか。

なお、健美クリニックでは、インスリン治療をされていない方でも、自費診療としてリブレ®︎を取り扱っております。

気になる方は、お気軽に健美クリニックにお問い合わせください。

平山医師

医師

Hirayama Takashi

いつでも安心して、専門医に相談できるクリニックで、健康的なダイエットをサポートします。