コレステロールが高い人の特徴と向き合い方のポイント

コレステロールが高い人の特徴と向き合い方のポイント
コレステロールは、人間にはなくてはならない脂質の一つです。生活習慣の影響を受けやすいコレステロール値は、そのバランスが崩れると、健康に影響を与えることが知られています。
この記事では、コレステロールの中でも悪玉と呼ばれるLDLコレステロールが高くなる原因と、値が高くなる人の特徴について解説します。
コレステロールが高いと診断された人に共通する特徴と原因を理解することで、コレステロールとの正しい向き合い方を学びましょう。
コレステロールが高い人の特徴
コレステロールが高い人には、いくつかの共通点があります。[1][2]
- 肥満傾向の人
- 油っぽい食事や甘いものを好む人
- ストレスの多い環境に身を置く人
- たばこを吸っている人
- 家族の中にコレステロールが高い人がいる人
- 閉経後の女性
コレステロールの値が高く問題になるのは、一般的に悪玉と呼ばれるLDLコレステロールです。
これらの特徴を持つ人は、LDLコレステロールの値にとくに注意する必要があります。
コレステロールが高くなる原因
コレステロールは食事の影響を受けやすいですが、高くなる原因はそれだけではありません。
ここでは、LDLコレステロールが高くなる原因を解説します。
食生活
コレステロールの値に最も影響を与えるのは、食生活です。
LDLコレステロールを高める食事には、以下のようなものがあります。[1]
- 揚げ物やジャンクフードなどの油の多い食事
- 生クリームが使われたケーキやバターを多く含むお菓子
- 甘いチョコレート
- 肉の脂身が多い食事
- インスタント食品
これらの食品には飽和脂肪酸が多く含まれており、過剰に摂取するとLDLが高くなる原因となります。
飽和脂肪酸は、バターやラード、生クリーム、加工食品などに多く含まれています。
LDLコレステロールは、脂肪分の多い食生活によって高くなるのです。
喫煙
喫煙はLDLコレステロールを上昇させ、HDLコレステロールを減少させます。[3]LDLコレステロールは動脈硬化の原因の一つであり、基準より低い方がよいとされています。一方、HDLコレステロールは余分なコレステロールを回収するため、単独では高くても問題になりません。
また、たばこに含まれる有害物質はLDLコレステロールを血管内に沈着させ、動脈硬化をさらに進行させます。
喫煙には多くの健康リスクが伴いますが、コレステロールの値にも大きく影響するのです。
ホルモンバランスの変化
ホルモンバランスの変化によっても、コレステロールの値は変化します。とくに女性ホルモンの一種であるエストロゲンの減少は、LDLコレステロールが高くなる原因の一つです。
エストロゲンは、LDLコレステロールを肝臓に取り込む役割を担っています。そのため、エストロゲンが急激に減少する閉経後には、LDLコレステロールが血液中に増えてしまうのです。[2]
男性のLDLコレステロール値は50代をピークにほぼ横ばいであるのに対し、女性は40代に閉経を迎えるとLDLコレステロールの値が急激に上昇する傾向があります。[4]
閉経後の女性は、LDLコレステロールが高くなりやすいといえるでしょう。
遺伝
痩せ型であり、健康には気を付けているにもかかわらずLDLコレステロール値が高い場合(180mg/dL以上)は、家族性高コレステロール血症の可能性があります。
家族性高コレステロール血症は300人に1人の割合で発症するといわれ、比較的頻度が高い遺伝性疾患です。とくに、家族の中にLDLコレステロールが高い人や、若くして心筋梗塞や狭心症を発症した人がいる方は注意が必要です。
家族性高コレステロール血症は、食生活を改善するだけでは十分な治療効果が得られないことが多く、薬剤治療が必要となることもあります。若くして動脈硬化が進み、心血管疾患を引き起こすことがあるため「もしかしたら…」と思われた方は、医療機関を受診してください。[5]
ストレス
ストレスは、LDLコレステロールの値にも影響を与えることがあります。
ストレスにさらされると、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌量が多くなります。LDLコレステロールは、コルチゾールの原料となる物質です。ストレスを受けコルチゾールの分泌が増加すると、LDLコレステロールの量も増えてしまうのです。
また、慢性的なストレスを抱えている人は、栄養価の高い食事を好む傾向があるといわれています。その結果、肥満に伴いLDLコレステロールも高くなりやすいと考えられます。[6]
コレステロールが高いことによる健康リスク
LDLコレステロールは身体にとって欠かせない脂質ですが、基準値を超えると健康リスクが高まります。
余分なLDLコレステロールは、血管に沈着して動脈硬化を引き起こします。動脈硬化は血管を狭くするため血液が流れにくくなり、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患の原因となるのです。[7]
LDLコレステロールの値を基準値の範囲内に保つことで、将来の病気の予防にもつながるでしょう。
コレステロールを下げる日常生活5つのポイント
LDLコレステロールを下げるためには、生活習慣の改善が欠かせません。
LDLコレステロールを下げるための生活のポイントを、5つお伝えします。
食事内容を見直す
LDLコレステロールを下げるためにはまず、食事内容を見直しましょう。
食事選びのポイントは、以下のとおりです。[1][8]
- 飽和脂肪酸の摂取を控える
- コレステロールを多く含む食品の摂取を控える
- 食物繊維を積極的に摂取する
- 抗酸化作用のある食品を摂取する
LDLコレステロールを上昇させる飽和脂肪酸は、肉類の脂身や揚げ物、甘いお菓子、加工食品に多く含まれています。これらの食品は避けるか、摂取しすぎないようにしましょう。
一方、魚の油やナッツ類に含まれる不飽和脂肪酸は、積極的に摂取したい栄養素です。肉より魚を意識して食事を選択すると安心ですね。
通常、コレステロールの多い食品を控える必要はないといわれていますが、LDLコレステロールが高い場合には、摂取を控えることでコレステロール値を下げる効果が期待できます。卵の黄身や魚卵にはコレステロールが多く含まれているため、摂取を控えましょう。
LDLコレステロールを下げるために積極的に摂取したい食品は、食物繊維と抗酸化作用のある食品です。食物繊維は、血中のLDLのコレステロールを体外に排出してくれます。抗酸化作用のある食品は、LDLコレステロールの酸化を防ぎ、血管に沈着しにくくする作用があります。野菜やキノコ類などの食物繊維や、トマト、にんにく、ブロッコリー、緑茶などの抗酸化作用のある食品は、積極的に食事に取り入れましょう。
これらの食事のポイントを参考に、普段の食事を見直してみてください。
適度な運動をする
適度な運動は、肥満の改善や動脈硬化を防ぐために効果的です。
運動により筋肉内の物質が活性化されることで、LDLコレステロールの分解が促進し、HDLコレステロールを増やすといわれています。さらに、運動により体内の脂質レベルが低下するため、肥満を改善する効果も期待できるでしょう。
運動の中でも、とくに有酸素運動がよいとされています。ウォーキングや水泳、サイクリング、軽いジョギングなどの運動がおすすめです。目安は1日30分、週に最低3回の運動がよいとされています。[9]
今まで運動をしてきていない人や忙しくて時間が取りにくい人は、10分を3回に分けるといった、自分の生活リズムに合わせて運動を生活の中に組み込んでみてください。まずは、少しずつ運動習慣を身につけ、継続することが大切です。
睡眠時間を確保する
睡眠時間の確保は、生活習慣病を防ぐためにも重要です。睡眠不足や睡眠の質が悪いと、コレステロール値の悪化や動脈硬化のリスクを高める要因となり、生活習慣病につながるといわれています。
成人の場合、夜間に最低6時間以上の睡眠を取ることが望ましいとされています。忙しい日常の中でも、睡眠時間を十分に確保することをこころがけましょう。[10]
禁煙する
たばこに含まれる有害物質は、LDLコレステロールを上昇させ、HDLコレステロールを減少させます。そのため、動脈硬化や心血管疾患のリスクを高めてしまいます。[3]重篤な疾患を引き起こさないためにも、禁煙することが大切です。
たばこをやめることで、コレステロールの値だけでなく身体全体の健康にもつながるでしょう。
ストレス解消法をみつける
ストレスは、LDLコレステロールの増加につながることが知られています。ストレスと上手に付き合うことが、LDLコレステロールを下げるためには必要です。
日常生活においてストレスを完全に排除することは難しいですが、ストレスの蓄積を防ぐことは可能です。
適度な運動はストレス解消に効果的といわれています。[11]自分に合った運動を定期的に行うことで、心身の健康を保てるでしょう。自分なりのストレス解消法を見つけて実践すると、LDLコレステロールの値にも良い影響が期待できます。
まとめ
LDLコレステロールが高い人の特徴は、食事だけでなく、ストレスやホルモンバランスの変化などいくつかの共通点があります。
LDLコレステロールは基準値を超えると動脈硬化を促進し、心血管疾患のリスクを高めるため、基準値以内に保つことが大切です。
食事や運動などの生活習慣を意識することで、LDLコレステロールの値は改善できます。毎日の生活習慣を少しずつ良い方向に変え、将来の病気を予防しましょう。
参考文献
- 脂質異常症を改善するための運動|e-ヘルスネット
- 女性および高齢者の脂質異常症|女性の健康推進室 ヘルスケアラボ
- 2.喫煙と血管内皮機能 |日本循環器学会専門医誌 循環器専門医第24巻第 2 号 2016年 8 月
- 令和元年国民健康・栄養調査報告|厚生労働省
- 家族性高コレステロール血症(FH)とは?|日本動脈硬化学会
- 仕事の心理社会的ストレスとメタボリックシンドローム|ストレス科学研究25巻
- LDLコレステロール|e-ヘルスネット
- 食物繊維の必要性と健康|e-ヘルスネット
- 脂質異常症を改善するための運動|e-ヘルスネット
- 健康づくりのための睡眠ガイド 2023 |厚生労働省
- からだを動かす|こころもメンテしよう