人生最後のダイエット

ダイエットにも必要な「筋肉」について

理想のダイエットとは、筋肉量を維持しながら体重(脂肪)を減らすことにあります。健美クリニックは、その名の通り、「健康で美しく」を理念に、ダイエットを進めていきますが、「健康で美しく」痩せていくためには、ただ単に体重を落とせば良いというものではありません。私たちの身体のうち、「筋肉」や「骨」は、その人の身体を形作る土台であり、なくてはならない身体の構成要素であり、直接外見の良し悪しにも関わってくるものです。

特に、筋肉は、ボディビルに代表されるように、その付き方やバランス、量によって、美しさの評価の基準にもなり得ます。ダイエットをする上では、この「筋肉の維持」は、欠かせないものであり、そのために必要な「タンパク質」の摂取と、筋肉を鍛える「筋トレ」も極めて重要と言えます。

昨今は、テレビやYouTubeなどでも、筋トレを紹介されることが多くなってきたため、関心がある方も多いかと思います。

一方で、健美クリニックの患者様の中には、「筋トレは頑張りたいのだけど、長く続けられないのです」、「腰や膝が悪くて、無理な筋トレができない」という声も聞かれます。

ダイエットをする上で筋肉量を維持することは非常に大切です。大手のパーソナルトレーニングジムでも、筋トレをすることを売りにしているところもあることでしょう。

 

ご自身で筋トレを始めてもらっても構いませんが、まず筋トレを始める前に一番最初に考えてもらいたいのは、その「目的」です。

スポーツ科学の分野では、筋トレの目的は大きく2つに分けることができます。

  • 筋肥大=筋肉を大きくする
  • 筋力増強=筋力を強くする

 

 

割れた腹筋や厚い胸板など、外見に表われるのは、①の筋肥大です。一方、より重いものを持ち上げる、より速く走るなど、筋肉が持つパワーそのものを底上げするのが②の筋力増強です。②の筋力増強の方は、アスリートが、より高いパフォーマンスを発揮したり、記録を更新したりするために行うものに対して、①の筋肥大は、「見た目」に関わるため、ダイエットをする方の場合は、こちらが目的となることが多いかもしれません。

そこで今回は、筋肥大のメカニズムについて、お話してみようと思います。

 

筋肉は、数千から数十万本という筋線維が束になって形づくられています。筋肥大は、筋線維の一本一本を肥大させていくことで生じます。筋線維は、一つの筋細胞が細長くなったもので、アクチンとミオシンといった筋タンパク質からできており、筋線維の肥大は、筋タンパク質の合成によってもたらされます。筋タンパク質は、常に「合成」と「分解」を繰り返しており、普段私たちの身体は、食事などで十分な栄養を摂ることで、筋タンパク質の合成と分解の均衡が保たれ、現状の筋肉量を維持することができています。そして、食事に加えて、トレーニングを行うことで、筋タンパク質の合成が分解を上回るようになれば、筋線維は肥大していくことになります。

 

私たちの身体が、より積極的に筋タンパク質を合成してくれるようになるためには、「mTOR(哺乳類ラパマイシン標的タンパク質)」が重要な役割を担っています。

トレーニングなどによって、筋線維が収縮しようとする際には、まずは筋線維内にある筋小胞体から「カルシウムイオン」が放出され、次に筋線維の収縮そのものが刺激となり、細胞膜を構成する「ホスファチジン酸」が増加します。さらに、細胞の成長を調整する「IGF-1(インスリン様成長因子)」の分泌が増加し、これら3つの因子によって活性化されるのが、mTORです。

この3つの因子によって活性化されたmTOERは、筋タンパク質の合成を促進する「p70S6K」を活性化するとともに、合成を抑制する「4EBP-1」を不活化します。これらの一連のメカニズムに基づいて、トレーニングによって筋タンパク質の合成が進み、筋線維が肥大し、筋肉が太くなっていきます。

アメリカスポーツ医学会(ACSM)では、2009年に「筋肥大には高強度トレーニングが有効である」という公式声明を発表しました。具体的には、「トレーニングによる筋肥大効果を高めるためには、1RM(最大挙上重量)の70%以上の高強度で、初心者は8~12回、経験者は1~12回の回数を行うことを推奨する」としています。この公式声明の内容は、筋肥大の常識として、多くのトレーナーが高強度トレーニングを勧める根拠となりました。

しかし、身体への負担が大きい高強度トレーニングは、「つらい」「きつい」と感じるため、特に初心者などの場合、長く続けるモチベーションを低下させることにも繋がります。

そんな中、近年の研究では、低強度のトレーニングでも、「総負荷量」を高めることで、高強度トレーニングと同等の効果が得られることが分かってきました。

この総負荷量とは、トレーニングの強度(重量)×回数×セット数によって決まります。

この報告により、さらに研究が進み、現在では、筋肥大の効果を最大化するための「筋トレの法定式」が下記のように導き出されています。

 

筋肥大の効果=総負荷量(強度×回数×セット数)×セット間の休憩時間×関節を動かす範囲×運動スピード×筋収縮の様式×週の頻度

 

この筋肥大の効果を最大限高めるための方程式に用いられる各要素については、また別のコラムで書いていこうとは思いますが、せっかく筋トレに取り組むのであれば、「無理して数か月だけ頑張る」よりも、「いかに長期的に継続できるか」を考えた上で、筋トレのスケジュールを考えていくのが良いかと思います。

本来であれば、より効率的なトレーニングを、より長期的に続けて、より良いダイエットにつなげることができれば、それが一番理想的です。

なお、当院で扱っているエムスカルプトの施術を受けられた患者様の中には、施術を受けていくうちに、単なる機器の効果だけでなく、施術後の筋肉痛の心地よい痛みがご自身のモチベーションをも刺激するようで、自身でも自宅で筋トレに取り組み始めた、という声もしばしば聞かれます。そういった意味では、エムスカルプトは、ただ寝て受けるだけで終わるものではなく、モチベーションの向上という観点からも、筋トレ初心者に適した治療なのかもしれません。

 

 

 

エムスカルプトの主な副作用とリスクについて

神経筋刺激による脂肪の減少と、血流の増加による肥満の治療を目的としています。
非侵襲的な施術のため、皮膚や内臓、その他の組織に負担を与えることは少ないとされております。
人によっては治療の数日後に軽い筋肉痛を感じることがあります。
妊娠中の方、ペースメーカー挿入後の方、電気系インプラントを挿入されてる方等は治療をけることができません。

法定記載事項

  1. 1 )未承認医薬品等であることの明示

    本治療は厚生労働省承認の磁器刺激装置になりますが、医療保険制度はお使いいただけず自費診療となります。

  2. 2 )入手経路等の明示

    当クリニックのエムスカルプトはBTL社より購入いたしました。
    個人輸入に関する注意点は「個人輸入において注意すべき医薬品等について」もご覧ください。

  3. 3 )国内の承認医薬品等の有無

    本治療に使用できる同一の性能を有する他の国内承認医療機器・医薬品はありません。

  4. 4 )諸外国における安全性等に係る情報の開示

    有効性と安全性は、最も信頼できる科学的手法(MRI、CT、US、および組織学)による13の臨床研究でテストされています。
    諸外国において使用数は数百台におよび、特に重篤な副作用の報告はございません。

平山医師

医師

Hirayama Takashi

いつでも安心して、専門医に相談できるクリニックで、健康的なダイエットをサポートします。